第7次構造改善計画

「信頼できる技術集団をめざして 総合鉄筋継手業の行く先」

1.事 業 方 針

「信頼できる技術集団をめざして」を第7 次構造改善計画の基本方針とし、サブテーマとして「総合鉄筋継手業の行く先」を掲げ、全圧連の5 年後のあるべき姿を想定して活動を展開する。

令和元年7 月、ガス圧接業から鉄筋継手業へ定款を変更し、総合鉄筋継手業への転換の第1 歩を踏み出した。

今後、総合鉄筋継手業としての地位を確立するための経営戦略化ビジョンとして、「顧客満足の拡充」、「総合鉄筋継手業としての体制づくり」、「働き方改革=若年者、外国人材の確保・育成」、「技能者の育成」の4つのビジョンを掲げ、事業を展開していく。

【 鉄筋継手業経営戦略化ビジョン 】

(1)顧客満足の拡充

顧客は常に継手の品質を確保することを求めている。そのために我々は、継手のエキスパートであらねばならない。顧客の求める条件に対し、的確にアドバイスし最適な技術を提供し、あらゆる環境下において確実に施工できる技術を確保することが求められている。

また、品質を確保にするためには「適正価格」での受注が重要な課題である。しかし、適正価格の範囲を超えた受注価格には警鐘をならす必要がある。継手にとって品質は命である。品質を維持することは顧客満足の拡充につながり道は開ける。

1)品質確保のための「適正価格」
2)最適な技術の提供、工法の情報開示
3)建設キャリアアップシステムの登録推進
4)優良圧接会社認定取得

(2)総合鉄筋継手業としての体制づくり=鉄筋継手業として業種独立

今、鉄筋継手業界は大きな転換期をむかえている。総合鉄筋手業に向けた動きは、継手のエキスパートとしての姿勢を問われている。品質を確保してすべての継手に公平な検査を確保することに継手業界をあげて取り組んでいきたい。70 年続いた圧接技術を次世代の技量者に継承していくために、鉄筋工事業から鉄筋継手業として業種独立して、鉄筋継手としての社会的地位を確保する体制を作り上げなくてはならない。

1)鉄筋継手業としての業種独立
2)総合鉄筋継手業への転換

(3)働き方改革=若年者、外国人材の確保・育成

圧接業界の年齢ピークは47 歳となっている。10 年後、この状況では6 割近くに減少してしまう。この傾向は建設業界に留まらす、全ての業種に当てはまり、現在、国土交通省が取り組んでいる特定技能外国人も日本が直面している人手不足を解消するための施策である。

しかし、根本的に人手不足の背景には人口減少だけでなく、賃金の問題も内在している。そこに働き方改革で4 週6 休、4 週8 休となり、労働日数が短縮されれば、給与の出来高制による部分は減収となる。年々、深刻化する人手不足、追い打ちをかける若年者の業界離れに歯止めかけるためにも処遇改善が喫緊の課題である。

今後、10 年後を見据えた場合、この状況が続けば圧接継手はマイノリティの継手になってしう。そうなれば技術継承どころか、施工体制を組むことすらできなくなる。この状況から脱するためにも業界が一丸となって、処遇改善に取り組まなくてはならない。

1)工業高校、大学へ圧接講座のアプローチ
2)職業訓練校へ圧接講座のアプローチ
3)特定技能外国人材の受入れ

(4)技能者の育成

鉄筋継手専門の技術集団、これは我々に課せられた使命であり責務である。顧客のニーズを把握し、継手の技術を駆使して最高の製品に仕上げる。高い技術力を持った集団として活路を見出していく。そのためには、品質を維持するための技術、その技術を支えるための知識が不可欠である。常に教育の機会を設け技術の研鑚を行い、高い技術を持った技能者を育成していくことが次世代へ継手をつなぐ道標となる。

1)圧接OJT指導員の育成
2)登録圧接基幹技能者の育成

2.事 業 活 動

全国圧接業協同組合連合会は、鉄筋継手業経営戦略化ビジョンに則り、以下の事業を展開する。

(1)顧客満足の拡充

1)品質確保のための「適正価格」
 品質の確保は信頼の証である。圧接継手においてA 級継手の施工が増えており、A級の品質管理が求められている。品質を確保するためにも適正価格での受注を獲得するためにもゼネコンとの直接取引を拡充する必要がある。
2)最適な技術の提供、工法の情報開示
 SD490 高強度鉄筋作業標準に基づいて、SD490 太径鉄筋技術講習会を開催し、高強度鉄筋太径鉄筋の普及展開に努めた。今後、太径鉄筋の鉄筋継手の可能性を拡大していくために、適材適所に継手を提案できる技術を確立する。
3)建設キャリアアップシステムの登録推進
 平成31 年4 月、建設キャリアアップシステムの本格運用が始まり、建設技能者、一人ひとりのスキルアップが統一的に評価される業界横断的な評価基準を各専門工事業で策定した。圧接業界もレべル1からレベル4 までの4 段階にランク分けを行い、統一した評価基準を策定し、令和元年12 月に国土交通省から認定を受けた。
 今後、技能者のためにレベル1 からレベル4 まで行い処遇改善ができるように建設キャリアアップシステムの登録を推進する。
4)優良圧接会社認定取得
 優良指定現場の動きが各地に広まりつつある。優良会社認定を取得することで、業界の評価を高めゼネコンとの直接取引の契機となる。そのために優良会社認定取得に向けて支援を行う。

(2)総合鉄筋継手業としての体制づくり

1)鉄筋継手業としての業種独立
 継手は建築物、構造物を支える要である。この要の品質を守ることは我々の責務であり使命である。今後、常に品質を維持、確保していくために鉄筋継手として、継手工程を持つことが重要である。そのためには、鉄筋工事業から鉄筋継手業として業種独立し、構造物の根幹なす継手工程を確立していきたい。
2)総合鉄筋継手業への転換
 天然ガスを用いた高分子天然ガス圧接継手、水素、エチレン混合ガスを用いたガス圧接継手と代替エネルギーを用いたガス圧接継手が誕生している。また、溶接継手、機械式継手も様々な工法が台頭している。工法の進化とともに様々な継手が生まれている。
 今後、あらゆる継手を視野にいれた総合鉄筋継手業として業界の進むべき道のアクションプログラムを構築する。

(3)働き方改革=若年者、外国人材の確保・育成

1)工業高校、大学へ圧接講座のアプローチ
 次世代へ技術を継承していくために、工業高校、大学等で出前講座を開講して、若年者の確保育成に向けて活動を展開する。
2)職業訓練校へ圧接講座のアプローチ
 業界への入職を促進するために幅広い層にアプローチする手段として、職業訓練校に圧接講座を開設して就職支援プログラムを構築する。
3)特定技能外国人材の受入れ
 2018 年12 月19 日、建設分野における特定技能外国人の受入に関する検討会議で鉄筋継手(圧接継手・溶接継手)が特定技能業種として認められ、2019 年4 月1 日より鉄筋継手として特定技能での新たな外国人材の受入れが可能となった。今後、全圧連は試験実施団体として国内外で教育、試験を実施して外国人材を受入れる。

(4)技能者の育成

1)圧接OJT指導員の育成
 技術専門集団であるために圧接OJT 指導員の育成は全圧連の根幹である。圧接OJT 指導員を各地区に配し圧接技術の指導体制の構築に向けて指導員の養成を強化する。あわせて、技術を継承していくために、圧接OJT 指導員の既得者の継続教育の充実を図る。
2)登録圧接基幹技能者の育成
 基幹技能者育成制度は、平成21 年4 月に国土交通省の登録講習として認定され、全圧連は平成21 年9 月30 日、国土交通省認定機関として登録された。登録圧接基幹技能者は、国土交通省の登録講習になったことで基幹技能者の資格取得が伸長し、社会的意義が高まりつつある。全圧連としては広く門戸を開き、熟練技能者を積極的に取り組み、登録圧接技能者を育成し圧接業界のレベルアップを図る。

第7 次構造改善計画では、「信頼できる技術集団をめざして」を基本方針とし、サブテーマとして「総合鉄筋継手業の行く先」を掲げ、顧客の要求するニーズを把握し、事業計画に反映させ、品質を具現化した活動を展開していく。また、総合鉄筋継手業への転換に向けて継手のエキスパートとして、業界の地位向上のために尽力していきたい。

以上

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