全圧連の動き(平成29年度)

■ユーザーのため、技量者のためにSD490ねじ節鉄筋の圧接を実証する
 〜SD490ねじ節鉄筋技術講習修了証について〜

平成29年10月1日
全国圧接業協同組合連合会 会長 大場毅夫
全国圧接業協同組合連合会
会長 大場毅夫

今から7年前、平成22年の建築技術11月号に太径鉄筋の機械式継手の記事が掲載されたことがSD490ねじ節太径鉄筋の技術講習会へのきっかけとなった。

当時、「鉄筋工事関連での品質管理上の取組みの一つに、一定径もしくは一定強度以上の鉄筋の機械式継手の標準仕様化(予定)が挙げられる。(中略)それとは別にもともと適切な圧接作業を行うには難易度が高かったそれらの鉄筋の継手は、圧接継手を原則として禁止し機械式継手を標準仕様とするべくマニュアルを改定するものである。」との記事から、(公社)日本鉄筋継手協会(以下:継手協会)と全国圧接業協同組合連合会(以下:全圧連)の間で話し合いがもたれ、状況を把握するために調査を開始した。

1年後、平成23年10月、組合員から「SD490の現場において圧接ができない状態になっている。今後、太径(D35以上)についても同様になる。」と報告があり、全圧連では、すぐさま構造特記仕様書において太径鉄筋、機械式継手がどのように記載されているか調査を行った。その結果、D35以上において機械式継手と記載されている仕様書が多く、この状況では機械式継手の独壇場になると危機感を募らせた。

平成25年5月、全圧連は鉄筋継手シンポジウム((公社)日本鉄筋継手協会主催)で、SD490ねじ節太径鉄筋において、全ての継手の品質管理の重要性を訴えた。これを契機に継手協会はSD490作業標準作成のためにSD490ガス圧接技量試験方法検討小委員会を編成し、SD490ねじ節鉄筋のデータ構築に乗り出した。委員会では圧力パターン、揺動幅、圧接機器について実験、検証を行い、SD490の作業標準『SD490ねじ節鉄筋作業標準(案)』を作成した。

全圧連では、SD490のねじ節鉄筋の作業標準を確立するために技術講習会を開催し、全国展開することを全圧連ニュースで発表したのがちょうど3年前であった。その記事の最後に、講習会ではその地区で市場性の高いSD490のねじ節鉄筋を使用して統一した作業標準に基づき圧接を行い、技術の習得とデータを収集することを目的とした。市場性の高いSD490ねじ節鉄筋を使用することは、圧接の可能性を広げていくことにもつながる。あわせて、圧接継手の確かな技術の実証と検証をもって、設計事務所、ゼネコンをはじめ関係者に訴えていくことで、太径鉄筋市場の再編の転機になると期待している、と結んでいる。

平成26年10月、SD490ねじ節鉄筋技術講習会が全国5地区でスタートした。講習会はD38の圧接を基本として、流量計を用いて還元炎の状態を確認、揺動幅、アップセット量のデータベースの構築に努めた。受講生には、流量計を用いて酸素とアセチレンの混合比を数値で把握することで1R還元炎をイメージではなく、数値で具体的に理解してもらうことに注力した。

翌、平成27年はD41まで鉄筋径を拡大して講習会を行った。D38は垂れの問題、D41ではフラットの問題が発生した。SD490の圧接は、1次加熱の密着工程は端面を集中加熱する。2次加熱は外観形成工程であり、HAZ破断を起こさないために入熱量を抑えながら揺動していく。D38では集中加熱による垂れが発生し、D41はD38では発生しなかった外周部にフラットが発生した。この原因究明に2年間を費やした。

平成28年は、鉄筋径をD51まで拡大して講習会を行った。外周フラットの問題は平成27年から持ち越し原因究明に取り組んだ。実験を繰り返していくうちにD51のSD490ねじ節鉄筋の圧接はD38の圧接と何かが違う、D51のねじ節鉄筋の圧接に壁を感じた。還元炎の状態、バーナーのずれ、フラットの原因になる要因を全てチェックしてもフラットが発生した。様々な実験を試みたが想定した結果が得られず行き詰まった。どうしようもない閉塞感に襲われている中、ある指導員のひらめきで解決した。原因はアップセット量不足による接合不良であった。なんだ当たり前といえば当たり前だが、垂れに意識があるあまり初期の密着工程時のアップセット量が不足していた。更にD51の圧接ではバーナーの加熱能力とアセチレン量の関係が重要となる。つまり、D51の圧接においてバーナーの能力不足でアップセットを行うと圧接部の鉄筋温度は低下し密着工程でできたフラットは消えず最後まで残ってしまう。SD490のD51の圧接は、60ℓ/minを超えるバーナーの能力、バーナーの能力に見合う充分なアセチレンの量が必要となることが判明した。

この3年間で延べ390名が講習会に参加した。平成29年は3年間の集大成を形にするために講習会では、今まで積み重ねてきたノウハウを受講生に伝え、SD490の圧接技術と品質を担保するために、所定の条件を満たした受講生については、全国圧接業協同組合連合会から『SD490ねじ節鉄筋技術講習修了証』を発行することとした。

今も、SD490は圧接が出来ないと結論付けているユーザーがいる。その方々にもう一度SD490の圧接を見直して欲しい、見直して頂くために修了証の発行に踏み切った。そして、技量者が自覚と責任、プライドを持って圧接に取り組んで欲しい。

10月1日、沖縄地区を皮切りにSD490ねじ節鉄筋の技術講習会がスタートする。この記事が出る頃には講習会は始まっている。

「NO ATTACK NO CHANCE」、今年5月インディ500で初優勝の快挙を成し遂げた佐藤琢磨選手のことばです。

是非、チャレンジして所定の基準をクリアし、SD490ねじ節鉄筋の圧接を実証して欲しい。

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■平成29年度黄綬褒章 宮口茂樹氏 黄綬褒章受章

平成29年5月17日
代表授与される宮口副会長 褒章の記を手に宮口副会長
代表授与される宮口副会長 褒章の記を手に宮口副会長

5月17日、宮口茂樹氏(全圧連副会長)が黄綬褒章を受章されました。

黄綬褒章の伝達式は国土交通省にて石井国土交通大臣より褒章、褒記が授与されました。今回、天皇陛下は体調がすぐれず、代わって皇太子殿下に拝謁となりました。皇太子殿下の印象をお伺いしたところ、殿下は終始にこやかな顔で、授賞者の話に最後までじっと耳を傾けるお姿は、天皇陛下のお姿とだぶり、今後、重責を背負う覚悟を感じましたとのことでした。

今回の褒章は58名・13団体(内、黄綬褒章は54名、藍綬褒章2名、緑綬褒章1名9団体、紅綬褒章1名4団体)の中、宮口氏は建設業界を代表して檀上で授与されました。

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